しなの鉄道169系湘南色

 恐らく日本中の大半の「鉄」が「何でやらないんだ?」と思っていたであろう、しなの鉄道169系の湘南色復活塗装。信越線軽井沢−関山間開業120周年の今年、ついにそれが実現しました。9月13日の「快速・リバイバル信州号」から湘南色での運行を開始し、現在は通常の運用に就いています。
 実は先日近所の鉄橋で走りの動画を撮ったのですが、撮影場所も撮れた動画もいまいち。というわけで、運行開始から1週間経った20日、あらためて撮って&乗ってきました。

 湘南色169系の運用はしな鉄のサイトに出ているので簡単に調べることができます。20日は…と見ていくと、「92行路」。長野から乗れるのは朝9:38発を逃すと18:24発の上田行き快速「しなのサンセット」までありません。今日起きたのは12時半。そんなわけで、18:24発で上田まで行って夕飯でも喰ってくるか、ということに決定。

 長野駅には18時過ぎに到着。24分発の快速は19分着の普通609Mの折り返しなので、長野駅で撮れるのは5分しかありません。ホームにはすでにカメラを持った鉄がちらほら。
 19分、定刻通りヘッドライトを輝かせて湘南色169系が入線。もう9月も半ばを過ぎ、18時過ぎともなると大分暗くなっています。停まる寸前とはいえ、私の持っていったコンパクトデジカメでは動いているところを撮るのはちょっと無理でした。


 夜の帳に包まれたホームに佇む湘南色169系。方向幕が「快速」ということもあって、なんとなく品川駅での9375Mを思い出します。

 急行形電車のサイドビューって、とても美しいと思います。JR化後に施された各地の塗装にもなかなかいいのがありますが、改めて湘南色に塗装された姿を見ると、やっぱりオリジナルの美しさというのを感じます。
 
 撮影していた人のほとんどはそのまま出発シーンを撮っていましたが、私は169に乗り込んで上田へ。車内はリクライニングシートに換装されているのでかつての急行形の雰囲気とは違いますが、デッキ付2ドアの広々した車内に響くMT54モーターの音は、普段の115系と同じ音のはずなのになんとなく「長距離列車」の雰囲気を感じさせてくれました。
 思えば10年前は湘南色の急行形電車なんてまだまだ走ってたんですよね。臨時大垣夜行もそうだったし(あれは167だったか)、特に好きだった(今でも好きだけど)中央西線の中津川−塩尻間、新宮夜行…すでに「急行」としての役目は終えていましたが、いろいろなところで乗った記憶が蘇ります。ここ数年で、国鉄型電車をはじめ、それまで「当たり前」と思っていたものがどんどん消えていっていますが、そういう時に「自分がいつの間にかそれなりの歳を重ねてきたこと」にふと気づかされたりします。

 快速「しなのサンセット」は長野−上田ノンストップで、わずか27分で上田に到着。恐らく往時の急行「信州」並みの走りっぷりでしょう。ちなみに、今でこそ本数もそこそこ、乗車率もそこそこの長野−上田間ですが、国鉄時代は長野−上田間というのは川中島バスのドル箱路線だったんだそうです(今はこの区間に路線バスはない)。要は普通列車が少なかったわけで、やっぱり国鉄というのは長距離列車が主体だった、ということですね。


 上田駅にはカメラを構えた人の姿は見当たりませんでした。長野から上田まで乗ってきた「鉄」も自分以外皆無。撮影もいいですが、しな鉄がせっかく湘南色を復活させてくれたんですから、やっぱり乗ってあげましょう。
 次はぜひ昼間、軽井沢まで乗りたいところです。ちょっと服も買いたいんで、アウトレットに買い物がてら乗りに行くか…。11月には信越線120周年でD51 498の運転も予定されていますが、湘南色169との並びに期待したいですね。願わくばかつての急行「志賀」のように屋代から長野電鉄に乗り入れて、りんごカラーの長電2000と交換、ってのをやってくれたら、最高なんですが…。