日本のハイブリッド列車は世界に羽ばたくぜ

 我らが長野県(と山梨)を走るJR小海線では、今夏から世界初のハイブリッド列車営業運転が行われるわけですが、なんと日本のハイブリッド列車技術はすでに海外にも進出していた。実にヨーロッパ初の「バッテリー併用型電気式ディーゼル列車」だ。
 日立のハイブリッド高速列車、イギリスで公開。たまたま"Railway Gazette International"という雑誌のサイトを見ていて見つけた記事ですが、5月3日に公開したそうです。ちなみにリンク先にはYoutubeの動画が張ってあるが、これは見てもただ走ってるだけなのでハイブリッドなのか何なのかわからない。
 車両はイギリスのHST(車両番号43 089)で、名前は「Hayabusa」。やっぱり日本っぽい名前のほうが受けるんだろうか。システムとしては、30km/hに達するまではバッテリーによる電力、それ以降はエンジンを回して発電した電力も併用するようなので、JR東日本の試作車キヤE991と似たような感じだ(ちなみにキハE200のエンジンコントロールは速度で決めているわけではないようです)。減速時はもちろん電力回生ブレーキを使って、発生した電力はリチウムイオン電池に蓄電する。まあ当たり前だが機構はJRのハイブリッド気動車と同じですね。
 日立は燃料消費を20%減らせると予測しているそうで、新車ならもっと減らせると考えているようだ。今のところグレートセントラル線で最高96km/hで試験しているということらしいが、将来は200km/hを目指すようだ。
 車のハイブリッド車は高速巡航だと回生ブレーキを使う回数が少ないからあまりメリットが生かせない、と聞いたことがあるが、列車の場合はどうなんだろう。JRのキハE200はエンジン・蓄電池併用時に、発電機からの電力を蓄電池にも供給するみたいだが、その方式ならある程度までスピードが乗ってきたらエンジンの回転を下げて、電池メインで運用するとかもできそうな気がする。何より燃料消費を2割減らせるのなら効率はかなりいいんだろう。
 しかし"battery-assisted diesel-electric"ってのはとても的確でいい言い方だな。キハE200がニュースに登場したとき、「エンジンで発電機を回してモーターで走る」のが「画期的」だと思った一般の人はかなり多かっただろうから。まあ「バッテリー併用電気式ディーゼル列車」より「ハイブリッド列車」のほうがどう考えてもキャッチーですけど。