「銚子電鉄サポーターズ」が発足

 「ぬれ煎餅」ですっかり有名になった銚子電鉄ですが、市民有志による支援団体がついに設立されました。その名も「銚子電鉄サポーターズ」
 銚子電鉄には何回か乗りに行ったことがあるが、実は最後に乗った時ですらもう十数年前、まだローズピンクとベージュの旧塗装のころだ。当時の俺は小学生にしてローカル私鉄大好きという変わったお子様で、筑波鉄道やら鹿島鉄道やら関東近郊のローカル私鉄にいろいろ乗りに行っていたのだが、一番好きだったのが銚子電鉄だった。1両1両がそれぞれ違う個性的な車両(その頃既に全車非冷房の釣り掛け車という電化私鉄は珍しかった)、揺れるとつり革が網棚にぶつかる車内、手書きのポスター…。俺は「これはすごい、こんな電車があるのか!これこそまさしく日本のローカル鉄道だ!」とガキの分際で激しく感動し、夏休みや冬休みになると電車の好きな友達を引き連れては乗りに行っていたのでした。お年玉でグッズも買ったし、そういえば仲ノ町の構内で写真も撮らせてもらった。
 その愛すべき路線が危機に瀕しているのだ。
 この路線を支援することについてはいろいろ意見のある人もいるだろう。ほかにも経営危機の路線はある、とか、今を乗り切っても今後やっていけるのか…と。確かに各地に赤字路線はたくさんあるし、将来的なことを考えれば、例えば富山ライトレールのように徹底的な近代化を図らなければ「有用な」交通機関としての存続は難しいのかもしれない。でもいいじゃないですか。これだけ銚子電鉄が一般の、「鉄ヲタ」じゃない人からも注目を集めているということは、つまりこの鉄道には「守るだけの魅力がある」と多くの人が感じているということだ。「鉄」ならとりわけそうだろう。こんな渋い車両や施設が残っている鉄道はほとんどない。それは一種の資産だ。
 俺は外国の鉄道も好きですが、ヨーロッパやアメリカではよく鉄道ファンが保存鉄道を運営したり、旧型車両を自分たちで保存して、鉄道会社のイベントで走らせたりしている。そういうのっていいなと前から思っていたんだけど、正直言って特に何も行動してこなかった。ささやかながら今は何かができる時だ。
 というわけで口座が開設されたらいくらか振り込ませてもらおうと思います。
 将来は旧塗装の復活なんかも実現したら素晴らしいなあ。