そういえばTX開業1周年(と2日)だ

 実は開通1カ月後くらいに1度乗っただけですが、客は順調に増えているようで何よりです。そして客が半減してしまった流鉄、乙。
 しかしTXの開通で強く思ったのは、従来の小林一三的私鉄経営=未開地に新線を敷設して沿線の宅地開発で儲ける、というスタイルは完全に終わりを迎えたんだなということだった。民間企業が大規模投資をして鉄道を敷設し、合わせて沿線宅地を開発してトータルで稼ぐ、というのは東急多摩田園都市が空前かつほぼ最後の例になるんだろう。まあ国の政策としてニュータウンがつくられるようになった時点でそういう時代はとっくに終わっていたのかもしれないが、首都圏の大規模な通勤新線が既存の私鉄やら不動産ディベロッパーやら商社がらみではなく、沿線自治体主導の3セクで運営されるというところに、鉄道の存在意義の変化を強く感じたのです。つまり、都市型の通勤路線であるTXのような路線すら、もはや儲けの道具ではなくなりつつあるんだなあ、と。

 まあすでに利便性高そうな土地はあらかた開発されているし、建設費がかかりすぎるのだから仕方がないが、かつては多額の建設費を投じても沿線の不動産販売+その住民による鉄道利用でお釣りざっくざくだったわけだ。日本で私鉄がこれだけ(しかも都市圏の重要路線で)発達したのはまさにそのやり方に負うところが大きかったのだろうが、そういう時代が過ぎ去り都心部への回帰も進むであろう今後、郊外の通勤鉄道運営ってのはどうなっていくんでしょうねえ。
 って、そんなことは俺には関係ないし考えるまでもなく偉い人たちがとっくに考えてるんだろう、と言ってしまえばそれまでだが、個人的にはいろいろと考えてみたいテーマではある。