イタリア中部で地震、鉄道は

 6日未明、イタリア中部アブルッツォ州ラクイラ(L'aquila)でマグニチュード6.3の地震が発生。死者は100人以上、5万人以上が家屋を失った可能性。(参考=毎日新聞

 読めないクセにイタリアの鉄道サイトを毎日のようにチェックしていたり、手持ちの模型車両もイタリアの車両がやたら多かったりと、イタリアには親近感を持っているというか要するに好きなので、非常にショッキングなニュースです。実は今ウチの線路上に停まっているのもTrenitaliaのAln668 3300番代というアブルッツォ州を走るディーゼルカーだったりするので*1、なおさら他人事とは思えない。
 ラクイラアブルッツォ州の州都で、人口約7万人。この街を通っている鉄道は、ローマ−アンコナ間の幹線の中間駅、テルニ(Terni)と、ローマ−ペスカラ(Pescara)間幹線の中間駅、スルモナ(Sulmona)を結ぶ単線の非電化路線です。トーマスクックのレイルマップを見ると、周囲を2000m級の山々に囲まれているからか「景勝ルート」のマークがついています。
 これだけの大災害なので鉄道を含む交通網にも被害が及んでいるようですが、イタリアの鉄道サイトFerrovie.it onlineによると、地震発生後は同州内を走る路線の多くが一時運転を見合わせたものの、同日夕方までにスルモナ−ラクイラ間を除いて運転を再開。また、被災者の住居代わりとして寝台車8両、食堂車1両や、各地から集めたクシェット(簡易寝台車)が現地に送り込まれるようです。確かに、客車は雨風をしのげるのはもちろん、そう簡単には壊れないし、停電でもディーゼル機関車をつなげば電源も供給できるということを考えると、線路さえ繋がっていれば災害支援にかなり有効でしょう。昔イタリア国鉄には病院車もあったはずですが、今はどうなんだろう。それにしても運転再開の早さといい、鉄道当局はかなりがんばっている感じですね。
 私の住む地域でも2年前に比較的大きな地震がありましたが、日本は地震国だけにやっぱり人事とは思えません。すでにかなりの被害が出ていますが、今からでもできるだけ多くの人が救出されることを祈っています。
(4/7追記)Sulmona-L'aquila間は2日以内に運行再開の見込みとのことです。
(4/14追記)4/9に1日4往復で運転再開。臨時ダイヤはこちら(pdf)。
(5/13追記)Sulmona-L'aquila間の新ダイヤ発表。こちらです(pdf)。

*1:Aln668 3300番台…Aln668形の最終増備車で、40両全車がアブルッツォ州のスルモナ機関区に所属