イタリアのヌリカベ的貨車移動機

 イタリアの模型メーカー*1、リバロッシからイタリアのヌリカベ的貨車移動機、208形のHOモデルが出てしまった。(参考=Ferrovie.it onlineリバロッシのサイト

 普通、鉄道車両というのは横幅よりも長さ、つまり線路と直角の面より並行の面の方が長いのが当たり前ですが、この208形というのはそういった常識をあっさり覆してくれる車両です。残念ながら実車の写真は持っていないので、ウチにあった本に載っている図解を撮影してみましたが、

 こんな形です。要するに超小型の機関車なのでキャブだけあればいい、ということでこうなったんでしょうが、凄いですよね、コレ。エンジンはキャブ下にあり、前後の車輪は露出しているという激しい設計。少なくとも私には思いつかないデザインです。同スタイルの機関車として、208形のほかに206、207、210、211形というバリエーションがあり、1931〜52年まで製造。イタリアの内燃機関車黎明期の車両ということでわざわざ本に図解入りで載ったりしているようです。ちなみに愛称は「sogliola」。辞書で引いてみたら「舌平目」でした。

 こんな車両が存在したということ自体もなかなか凄いんですが、これがHOスケールの自走する模型として、しかも量産製品で発売されてしまったというのはさらに驚きです。模型の全長は僅か3cm、車輪径は実車が500mmなので、1/87だと約6mm。モーターはキャブ内に仕込んであるんでしょうが、動力機構がどうなっているか興味深いところですね。

 最近のリバロッシ製品は昔の製品の再発でも以前よりクオリティが上がっているので、これもきっと出来栄えはなかなかのものでしょう。Ferrovie.itの写真を見る限り、パッケージは普通のリバロッシ製品と異なり、引込線やヤードをイメージしたディスプレイスタンド風となかなか洒落てます。同サイトでは2両セット+実車解説本が割引価格で172.9ユーロだそうですが、現地では人気あるんでしょうかね?
 もし日本に入ってきたとして売れるかどうかは「?」なモデルですが(意外に専用線好きの人に人気出たりして)、もしイタリアに行って模型屋にあったら買っちゃうかも。まあ、行く機会があるかどうかですが…。

*1:ホーンビィだからイギリスですが、ホーンビィでもリバロッシブランドのあるHornby Internationalの所在地はイタリアになっている