東海道新幹線、車内で無線LAN接続可能に

 JR東海は26日、2009年春にも東海道新幹線N700系車内で無線LANによるインターネット接続サービスを始めると発表。合わせて、東海道新幹線全駅の待合室にも無線LAN設備を整備する。(参考=JR東海のニュースリリース
 これはビジネス需要の多い東海道新幹線では特に待ち望まれていたサービスでしょう。新幹線の車内ではノートPC(Let's NOTEユーザー率高し)を使っている人が1両に数人はいる感じですが、書類作成なんかは今でも可能とはいえ、実際のところインターネットに繋がらないと仕事にならないという人は多いはず。今のところ国内線の飛行機ではネット接続はできないので*1、航空に対する大きなアドバンテージにもなるでしょう。
 インターネットへの接続は、沿線に敷設されているLCX(漏洩同軸ケーブル)を使用するとのこと。速度は上下非対称で、車内→地上(上り)が最大1Mbps、地上→車内(下り)が最大2Mbps。JR東海のプレスリリースではちょっと謙遜気味に「高速の回線速度を必要とする動画の閲覧を快適にご利用いただける程の速度ではありませんが」とありますが、2Mbpsならyoutubeニコニコ動画を見る程度ならほとんど問題ないと思われます(実測1Mbpsちょいで接続している者の意見)。もちろん最高速度が出れば、の話で、実際どの程度の速度が出るかが注目されるところです。
 飛行機と高速鉄道を比較した場合、鉄道のメリットといえば、今までは「街の中心部に直接アクセスできる」「車内を自由に立って歩ける」というのが代表的でしたが、これからは「ネット接続が常時可能」というのも前面に出して売り込んでいくべきでしょう。しかし、実は現状でも「携帯電話が使える」というのは大きなメリットなはず。日本では「車内での携帯電話はデッキで」ということになってますが、今後はネット接続も含め、携帯電話も座席で使用可能、コンセントと大型デスク装備・・・というような「移動オフィス」的な車両も考えられていいんじゃないでしょうか。


 実はTGVも2010年に無線LANによる車内インターネット接続が可能になる予定です(参考=Railway Gazette International)。フランスでは2010年に鉄道運行事業への参入が自由化されるので*2SNCFは車内ネット接続を新規参入業者対策の有力な「武器」として考えているようです。
 ちなみにTGVのネット接続方式は、なんと衛星通信を利用。速度は最高20Mbpsまで出るそうです。駅構内で衛星との接続が途切れた場合は近くの無線LANスポットに自動的に切り替わり、この場合は最高2Mbps。トンネルの少なさが成せる技って感じですが、信号システムも有線より無線(携帯電話技術の応用)利用を進めつつあるヨーロッパらしいやり方という気がします。

*1:ボーイング社がやってた機内インターネット接続サービスConnexion by Boeingってもうやめちゃったんですよね。もともと国内線には入ってませんでしたが

*2:EU加盟国はみんなそうすることになっている。フランスは自由平等が謳い文句の国の割に遅い