ドイツ版モバイルスイカ?

 ドイツで2月末から、携帯電話を使った非接触のe-チケットサービスの試験が行われているそうです。(参考=Railway Gazette International
 試験はDBとVodafoneが組んで実施。範囲はベルリン近郊の鉄道とポツダムの地域交通、あとハノーバー―ベルリン間のICEで、テストユーザーは200人。出発地と到着地でセンサーに携帯をかざすと乗車距離が携帯のSIMカードNTTドコモでいうところのFOMAカード)に記録される、という仕組みだそうだ。要は電話機本体ではなくてSIMカードICカード機能が備わっている、ということのようなので、非接触ICカード機能搭載SIM(NFC-SIM*1)を使うんでしょうか。もしそうなら、「おサイフケータイ」ではない従来の携帯でも、このSIMを入れれば機種変更せずに携帯e-チケットが使用可能になると思われるので、ちょっと便利かも。
 Vodafoneはこのシステムをe-チケットのスタンダードにしたいと目論んでいるのだそうだ。

 以前「iモード」を採用しているフランスの携帯電話会社ブイグ・テレコム(Bouygues Telecom)が、NTTドコモと協力してRATP(パリ)で携帯を使ったIC乗車券サービスを始めた、というのを何かで読んだのだが、こっちはその後どうなっているんでしょう。ICカード乗車券の導入ではアジア地域でやや出遅れた感のあった日本だが、携帯電話を使ったこの手のサービスは一番進んでるんじゃないかと思われるので、日本方式にがんばってもらいたいところだが。俺はアジア各国で共通利用できるIC乗車券の推進より、おサイフケータイ乗車券システムの普及・拡大のほうが実りがありそうな気がします。携帯電話搭載ICカード乗車券なら、運賃はクレジットカードから引き落とされるわけだから、外国で使ったとしても普通の買い物をしたのと同じ扱いになるだけで、乗車券システムそのものの共通化は必要ないし。


 そういえば、RATPはなんと「iモード」に対応した携帯サイト(Ma RATP dans la poche)」があるのだ。日本の鉄道会社の携帯サイトと同様、乗り換え検索とか運行情報とかが見れます。海外対応機種なら現地でも当然見られるはず。英語版がないのがちょっと残念。
 URLはhttp://wap.ratp.fr

*1:NFCはNear Field Communicationの略。非接触ICカード機能を取り入れた規格