中国・山東省で列車衝突

  28日午前4時43分(現地時間)、中国・山東省の淄博(しはく*1)で、北京発青島行のT195次列車が脱線、煙台発徐州行の5034次列車に衝突。双方合わせて約10両が脱線・転覆し、70人死亡、400人以上負傷。(参考=新華社毎日新聞
 ちなみに列車番号で見ると、T195次は「T」なので特快(特急)、5034は異なる省の間を結ぶ「普快」(ヨーロッパでいうならInterRegio)。T195次は北京22:50発―青島7:11着、5034次は煙台21:50発―徐州9:48着。T195は淄博4:17発、5034は3:52発となっている。現場と駅の位置関係が分からないので定刻で運行されていたかどうかはわからない。
 事故発生現場は緩くカーブした築堤上。「正面衝突」と報道しているメディアもあるが、BBCのサイトにある写真を見る限りでは、この区間は複線区間のようだ(奥の線路に脱線を免れた車両と、手前の線路に脱線転覆した車両の台車が散乱している写真がある)。つまり、いわゆる「正面衝突」ではなく、複線の片側で脱線した車両が線路からはみ出して、反対側の線路上を走行中の列車にぶつかった、と思われる。報道各社の写真を見ると、恐らくT195次の牽引機であろうDF11形ディーゼル機関車が築堤の下に転落しているが、正面は原型を留めており、左側にぶつかったような跡が見えるので、恐らくすれ違い中に脱線して対向列車に接触、はずみで転覆したのだろう。
 脱線の原因は「人為的なもの」で、制限速度を約50km/hオーバーする131km/hで走行していたためとのこと。ただ、写真を見る限りではそれほど急なカーブではなさそうで、果たして速度超過だけで脱線するかどうかはちょっと疑問。現場は北京五輪に合わせて改修工事中で、新ダイヤでの運転が始まったばかりだったそうで、写真を見ると架線の張られていない架線柱が建ち並んでいるし、バラストも新しそうだ。電化に向けて線路の改良工事をしたんだろうが、その際に路盤整備かなにかで何らかの施工ミスがあったというのも考えられないだろうか?俺は中国の鉄道には1回しか乗ったことがないが(というか中国に1回しか行ったことがない。連休が取れれば蒸機を見に行こうかと思ってますが・・・)、その時に思ったのは「レールそのものは立派だけど、その割には道床が薄いな」ということだった。
 何にせよ、単独の脱線事故ならここまでの惨事にはならなかっただろう。たまたま他の列車が走ってきて衝突したことが悲劇につながったわけで、その点では不運としかいいようがない気がする。

*1:シはサンズイに「巡」のシンニョウをとり、下に「田」だそうです。ちなみに中国語読みはziboのようだ