ミュンヘンのリニアモーターカー計画は中止に

 昨年9月に書いたミュンヘンリニアモーターカー建設計画ですが、なんと決定から半年で中止になってしまった。参考=Railway Gazette International
 中止の理由は計画よりはるかにコストがかかるからで、最初は約18億5000万ユーロの予定だった建設費が、実際に調査してみたら30億ユーロ超かかってしまうことが判明した、ということだそうだ。それって単に当初の見積もりが甘かったんではないのか。それとも最近の世界的不況が影響しているのか?
 ちなみに計画路線はミュンヘン空港〜中央駅間の約37kmで、両駅間を約10分で結び、営業開始は2014年の予定でした。もともとこの計画、地元のミュンヘン市長だかは反対していたはずなので、地元にとってはそれほど影響や衝撃はないのかもしれませんが、やっとこさ本国ドイツで営業路線が造れると思っていたThyssenKruppをはじめ開発元各社はお怒りであろう。まあ実際のところ、今でもミュンヘン空港〜中央駅間にはSバーン(S1、S8)が所要40分程度で走っているので、ちょっとスピードアップすりゃ十分ではある。が、個人的にはDBの赤いトランスラピッドはちょっと見たかったな・・・。
 
 しかし、中国でも上海トランスラピッド杭州延伸計画は凍結、本国ドイツでも計画中止と、世界的にリニア(マグレブ)には強い逆風が吹いている。唯一進行しそうなのは我らがリニア中央新幹線だけということになるが、なんというか前にも書いたけれど、「汎用性」や「既存のシステムとの親和性」を求める欧州と、それよりも「新しいテクノロジー」を求める日本、という対比がここからも伺えると思う。「リニア」と「高速鉄道」、「新交通システム」と「LRT」というのは、目指すところは近くてもアプローチが明らかに違うわけだが、そこが(いい悪いは置いといて)日本と欧州の差なのかな、と思ったりする。