AGV、登場

 フランスのアルストムが5日、次世代の動力分散式高速列車AGV(Automotorice Grand Vitesse)を公開。
 参考=アルストムのサイト
 以前から開発しているということだったし、去年のTGV574.8km/h達成のときの編成(V150)にもAGV用動力台車が使われていたりしたが、ついに実車の登場だ。アルストムは1月に、イタリアの民営旅客列車オペレーター*1NTV(Nuovo Trasporto Viaggiatori)からAGV25編成を受注したと発表しているので、先行試作車のようなものなんだろう。
 列車は連接式。1両の長さがどの程度なのかはどこにも書いてないっぽいのでわからないが、写真を見る限り今のTGVの中間車より少し長いくらいか?「フレキシビリティ」とかが強調されているだけあって、車両は最近のLRVのようにモジュール化され、7、8、11、14両に設定できるそうだ。正面の連結器カバーは簡単に開きそうだから、恐らく2編成併結運転もできるだろう。動力台車にはV150編成でも使っていた永久磁石モーターを使用、最高速度360km/hでの営業運転が可能だそうだ。でもNTVの営業運転最高速度は300km/hのようだが。
 見た目は、個人的にはETR600(イタリアの新型ペンドリーノ*2)とシーメンス製の新型ディーゼルカー「Desiro」、あと車高が低いというのもあってタルゴ350を足して3で割ったような印象を受けた。全体がシルバーで、側面窓回りがグレー系のカラーリングなので、ちょっと400系新幹線の登場時の姿みたいにも見える。鼻先が長いこともあってか、正面デザインは何となくスペースシャトルの機首を連想した。窓の配置や黒く処理されているところなんかがそう思わせるんだろう。全体的に見ればなかなかスマートなデザインではある。しかし「やっぱTGV Duplexのほうがかっこいいよなあ」とか思ってしまうのは、俺の感性が少しずつ新しいものを受けつけにくくなってきている証拠か?
 AGVができたからといってTGVの製造をやめるのかどうかは知らないが、ヨーロッパもどんどん動力分散式の時代になりつつあるんですね。でも、近距離列車に関しては電車よりもダブルデッカーの客車や専用の機関車を新製していたりする国もあるので、なんとなく「長距離=機関車牽引、短距離=電車」という日本でのイメージではわからない部分がある。
 ちなみに「ヨーロッパで電車が多く使用されている」というとよく例に出てくるのがイタリアだが、俺はヨーロッパの「電車(動力分散式車両)大国」はベネルクス3国を除けば、スペインかポルトガルが筆頭じゃないかと思う。

*1:要は上下分離の上モノ運行事業者。オープンアクセス・オペレーター

*2:アルストム製、中国のCRH5も同型車。営業運転投入はCRH5のほうが早かった