ユーロスター、新時代へ

 英仏海峡トンネル(ユーロトンネル)を通ってイギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ「ユーロスター」の英国内高速新線(HS1)が14日に開通。今まで160km/hに制限されていた英国内での最高速度が300km/hにアップし、ロンドン―パリ/ブリュッセル間の所要時間が20分短縮。ロンドンのターミナル駅も今までのウォータールー駅からセント・パンクラス駅に移転。
 「ユーロスター」って、ユーロトンネルを通過する国際特急だし、「ヨーロッパを代表する列車」として知られてもよさそうなのに何となく日本では影が薄い気がするが現地ではどうなんだろう。何はともあれ開業から13年経ってついに本来の姿になったということですね。ちなみに正式な新ダイヤは12月9日からだそうだ。ロンドン―パリ間最速の列車は2時間15分ということなので、鉄道誌「Today's Railways Europe」に出てる時刻表を見てみると、ロンドン発の初電は5:27でパリ着8:50。なんだ3時間かかってるじゃねえか、と思ってパリ発のを見てみると、初電は6:43発でロンドン着7:55。そういえばイギリスとヨーロッパ大陸は1時間の時差があるのだった。
 今回開通した新線はヨーロッパ(というか世界の)高速鉄道のスタンダードといえるAC25kv電化。今までロンドン近郊では第3軌条区間(DC750V)を走っていたわけだが、手元にある「High Speed in Europe」という本によると、「ユーロスター」の車両はAC25kV区間では12200kwの出力がDC750V区間では3400kwに抑えられているそうで、そりゃあスピードも出せなかっただろう。そういえば、もう要らないであろう台車の集電シューは取り外すんでしょうか。
 ちなみに14日はフランスでは交通機関の大規模スト真っ最中だったようですが、ユーロスターは公式サイトによると「Eurostar expects to run all scheduled services as normal. 」ということなので、まともに走ったのだろう。しかし別々の国とはいえ、ストと新線開業日がぶつかるとは運が悪かったとしかいいようがないな。