埼玉県内で架線切断、5時間以上不通に

 22日午前7時55分ごろ、埼玉県のJR宇都宮線大宮―さいたま新都心間で架線が溶断、同線のほか高崎線京浜東北線湘南新宿ラインが不通に。駅間で6列車が最大4時間立ち往生。
 架線溶断の原因は架線同士の重複部分、エアセクション内で列車が停止し、パンタグラフが2本の架線を導通して過電流で溶けた、ということだそうだ。「パンオーバー」とかいう奴だな。言葉は何となく聞いたことがあっても正直言ってこういう電気関係はよくわからないので、手元にある「電気鉄道概論」(成山堂出版)という本を見てみると、エアセクションは「高速で力行連続集電ができるが、電車が通過する際アークの発生とそれに伴うトロリ線損傷が問題となる」のだそうです。
 交流区間では、違う変電所から給電されている架線と架線の間は位相が異なるので絶縁されていて、両者を短絡するとまずいから交流電機はパンタを片方しか上げない、というのはけっこう聞く話ですが、直流区間でもこういう問題があるんですね。直流でも接続部分は絶縁すればいいんじゃないか、と思うが、これだと通過時に惰行で通らないといけないから大変だろう(ふと思ったんだけど、剛体架線や第三軌条の場合はどうなってるんだろうか)。
 しかしトラブルそのものはまあ仕方ないとして、問題は事故発生後のJRの対応がいいとは到底思えないこと。なぜこの区間の事故で上野―高崎や上野―宇都宮間のような長区間を止めないといけないのか?少なくとも大宮以北は運転できるんじゃないか、というのは素人考えだろうか。
 とにかく「JRでの」トラブルが多すぎると感じる。単に運転本数が多いからというだけではないと思うんだが。