WORLD'S END SUPERNOVA

 4月1日なら気の利いたネタとして流せたのに。京急にステンレス車が3月31日から登場
 世界の終わりを告げるニュースだと思った。

 形式は新1000形の6次車。…で、イメージイラストを見ればステンレス車であると同時に、側面窓枠、ドア窓の形状からJRのE231ベースであることがわかる。京急敗北。「赤い電車」のイメージを残すために赤いフィルムを側面に貼った、ということだが、俺には羽田空港でのライバル・東京モノレールの旧型車にしか見えない。それになんだこのカッコ悪いロゴは。京急敗北。
 正面は従来の新1000系の面影を残しているとはいえ油断はできないぞ。まず「1000」の文字がある白い部分、あれは従来の新1000ではワイパーカバーになっているわけだが、こいつはワイパーが上部に露出しているのでただの白塗装(もしくはステッカー)と思われる。窓や行先表示機の配置を見ると、京成3000とほぼ同様のコンポーネントなんじゃないかという気がするのだが、イラストで黒く描かれている部分はひょっとしたらガラス内側に一体化されているのではなくて、ただの黒塗装かもしれない。
 どうせステンレス車を作るなら中途半端に今までのイメージを残さないで、新たな造形やカラーリングを生んで欲しかった。この車両はあちこちに見え隠れする「プライドのかけら」があまりにも虚しい。
 この発表で救いなのは「平成19年度以降の採用車両数は未定」というところだ。あえて別形式にはせず「新1000形6次車」であるところも怪しい。近鉄阪神ステンレス車を作ったけど結局単発で終わっている、ということを考えると(まあ阪神は何回かやっているが)これはまあ、東急車輛が逗子にあるし一本くらいステンレス車作ってみるか!という感じで試作的に作られたもんだろう。…と期待したい。
 そうはいっても、まあどうせ数年後には800がステンレス車に置き換えられたりするんだろうな。そのときはせめてもう少しマシなデザインをしてやってほしい。

 とりあえず岸田繁くるり)のコメントを聞いてみたいと思った。