我入手中国鉄路的模型

 最近アジアの鉄道が俺の中で熱い。まあもともと関心はあったのですが特に台湾に行って以来非常に熱い。台湾もまた行きたいし中国大陸もスケールがでかそうだし行ってみたいなあ、などと思ってネットでいろいろ検索したり本屋で立ち読みしたり(買えよ)しているのですが、最近東京・銀座の超有名模型店天賞堂にふと行ってみたら中国型の鉄道模型(HO)が半額で投げ売りされていたので買ってしまいました。
 
 東風4D型ディーゼル機関車と客車。
 製造は百萬城有限公司(バックマン・チャイナ)で、ヨーロッパ型のリリプットと同じ製造元。実物がでかいので当たり前だが、同スケールのヨーロッパ型機関車と比べると一回り大きいので迫力がある。
 出来栄えは「繊細」ではないが、見ての通りかなりレベルは高い。塗装もきれい。モールドの感じや、手すり類が全部金属パーツだったりするあたり、雰囲気はヨーロッパ製品でいうとリリプットよりもメハノ(スロヴェニアのメーカー)の最近の製品っぽい印象を受ける。ライトもヘッド/テールがちゃんと点灯。エアホースなんかのディテールも凝っている。カプラーはケーディタイプをネジ止め。正面には中国鉄路局のマークと形式番号「DF4」が書いてある。中国のDLがDFなんちゃら、という形式だというのは知っていたのですが、てっきりディーゼル=Dで6軸機=Fだからだと思っていたら「東風」の中国語発音の頭文字なんだそうだ。
 俺が一番気にしていたのはどのくらいのカーブを曲がれるか?ということだったのだが、つくりがヨーロッパ流儀なのでちゃんとR356.5のカーブを何の問題もなく通過しました。日本型でC-Cの機関車だったら絶対曲がれない製品になると思う。偉いぞ百萬城有限公司。走行は5極モーター+フライホイール付きの動力機構に、800gもある重さも手伝ってかなりスムーズ。

 客車の方は半額ではなかったのだが、硬臥(寝台)と、別のところで食堂車を入手。いかにも中国っぽい緑の客車(「緑皮車」というそうです)だが、実車は減ってきているらしい。車内のインテリアも精密に出来ていて、寝台車はハシゴもあるし付属パーツで枕?まで付いていて、しかも車内照明装備だ。「上海―成都南」というサボもついていたので取り付けようと思う。
 客車もつくりはヨーロッパ型の客車モデルとほぼ同じ。カプラーはショートカプラーで、機関車と同じケーディタイプがついているが、こちらはカプラーポケットがNEM362になっているのでヨーロッパ製の好きなカプラーや付属のドローバーに交換もできる。車体幅や車高はヨーロッパ型より一回りでかいのでカーブの通過が気になるが、R356.5のカーブを余裕で通過できた。

 要はヨーロッパ型のHOモデルと同じと考えて間違いないみたいだ。
 これはとてもいいことだと思う。日本のHOははっきりいって尋常じゃない高価格製品が幅を利かせているが、正直言って今後発展していくであろう中国の鉄道模型界がそういう無意味な高級・高額化路線に進んだら嫌だなあ、と思う。できれば欧米のような、ちゃんと普及品があってその上に高級品が存在する、という文化が根付いて欲しい。中国鉄道のスローガンは「鉄路は人民のために!」らしいので、鉄道模型も人民のものであってほしいぞ。打倒ブルジョワ
 なにしろ人口10万人以上いる国なので鉄ヲタも今後増えるだろうから(既にけっこういるのか?)、今後が楽しみなところ。