スリランカのICE

ICEといえばドイツの高速列車としてお馴染みですが、実はスリランカにもありました。まあ「InterCity Express」って列車名はよく考えてみれば別にどこの国にあってもおかしくないですね。
スリランカのICEはドイツのような高速列車編成ではなく、ディーゼル機牽引の客車列車。私が乗ったのはキャンディ〜コロンボ間の列車で、この間約110kmを約2時間半で走ります。ということは表定速度は約45km/h。JRの特急なら「はやとの風」がこのぐらいでしたね。はっきり言って特急としては遅いのですが、車窓風景は素堀りのトンネルに岩山の切り通し、南国らしい草木の生い茂るジャングルの中を貫く線路…と、乗っていて飽きません。
走りっぷりは景観とは対象的にまさに「淡々と」というのがぴったりで、特に直線だからといってスピードを上げたり、カーブの続く山岳区間だからといって徐行したりすることもなく、じわりじわりとペースを崩さずに進んでいきます。線路状態は決してよいとは言えず、台車はシュリーレンのような円筒案内式のなかなか性能良さそうなのを履いているのですが、ジョイントでは派手にバウンドしながら走ります。
ただ、単線区間の途中駅は基本的に一線スルー化されているのはさすが幹線、立派です。マイペースな走りながらも到着はほぼ定時で「着実に走り続ければちゃんとたどり着く」という、なんだか人生の教訓的なものをちょっと感じたりもします。

というわけで動画。9分以上あるので暇なときにどうぞ。