タイ−ラオス間鉄道が運行開始
アジア横断鉄道網実現への第一歩。5日、タイとラオスを結ぶ鉄道の運行が開始。(参考=バンコクポスト、BBC、Railway Gazette International)
昨年7月に試運転開始というニュースに触れましたが、いよいよ正式に運行が始まったようです。5日にはタイのマハー・チャクリ・シリントン王女の主宰による*1開業式典が開かれ、その後王女は1番列車でラオスを訪問したとのことです。
今回開業した区間はタイ東北部、ラオス国境の街ノーンカーイ(Nong Khai)から、メコン川を渡ったラオス側のターナレーン(Tha Na Laeng)までの3.5km。ラオスには今まで鉄道がなかったので、これが国の歴史上初の鉄道開通ということになります。運行はタイ国鉄が担当し、運行は1日2往復。ラオスに朝到着する便と夜出発する便にはバンコク発着の直通客車が連結されるそうです。運賃は2等が80バーツ、3等が20バーツとのこと。
一応ダイヤは以下のようになっているみたいです。SRT(タイ国鉄)のサイトにある時刻表には未だ載っていないみたいなので、各種情報を探してまとめてみました。あくまで情報のまとめですんで、実際に利用する場合は現地で確認を(ついでに正確な時刻も教えて)。
列車番号 | 69 | 415 |
---|---|---|
バンコク発 | 2000 | |
ノーンカーイ着 | 0825 | |
発 | 1000 | 1620 |
ターナレーン着 | 1015 | 1635 |
列車番号 | 418 | 70 |
---|---|---|
ターナレーン発 | 1045 | 1706 |
ノーンカーイ着 | 1100 | 1720 |
発 | 1820 | |
バンコク着 | 0625 |
ダイヤを見る限り、69列車でやってきたバンコクからの直通客車が、70列車までの間合い運用で1往復するという感じでしょう。でも、69列車はノーンカーイでの停車時間がちょっと長すぎですね。直通客車は2等エアコン車のようですが、3等運賃も設定されているということは、69、70列車併結の客車以外に、この区間だけの3等車を連結するんでしょうか。
この路線、現在はラオスの首都・ビエンチャンの手前で線路は止まっていますが、タイ国鉄とラオス政府はすでにビエンチャンまでの延伸について合意しているそうです。将来はベトナムまで延伸する計画もあるとのことで、鉄道が主要交通機関となっていない東南アジア諸国にもこれから鉄道の時代が来るか?と期待してしまいますが、すでに旅客輸送ではバスや空路(特に格安航空)が発達しているだけに、貨物輸送がメインになるのかもしれません。
しかし、今回のタイ−ラオス間でもそうですが、さんざん「斜陽」といわれてきた鉄道も、世界中を見てみればまだまだ新しい路線が必要とされているわけですね。特に最近は、発展途上国や新興国の大都市圏輸送、都市間の高速輸送などで新しい計画が次々と報じられます。鉄道の復権というのは情緒や趣味的なものだけではなく、本当に起こっていることなんだなと感じます。
タイって東南アジアの中では馴染み深い国だし、バックパッカー系というか個人旅行の人には特に人気あるので「タイは行ったことありますよね?」と聞かれたりするんですが、実は恥ずかしながら?行ったことないんです。1月は最初は香港じゃなくてタイに行こうかと思ってたんですが日程的にきつくて(なんか最近やたら疲れやすくて休みギリギリ一杯の旅をするのが辛い)断念。あータイ料理食ってメークローン線に乗りたい。
(3/18追記)
今回の開通がラオス初の鉄道だと思っていたんですが、「メコン・黄金水道をゆく」(椎名誠著)という本を読んでいたら、かつてフランスが建設した軽便鉄道があったんだそうです。廃線跡や機関車の残骸も残っているとか。フランスのナローだったらメーターゲージでしょうか。機関車はドコービルかなんかか?ちょっと見てみたいですねえ。
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*1:presided overって書いてあるから単に列席したんじゃなくて、そうなんでしょう。あー英語力ないな