台湾高鉄、不景気の影響で減便へ

 2月末の発表ですが、台湾高鉄のサイトでニュースリリースのコーナーがあるのは中国語版だけなのでなかなか気づきませんでした。台湾高速鉄道は、景気悪化の影響と過去2年間の利用実績を踏まえ、3月16日ダイヤ改正から列車本数を削減。(参考=台湾高鉄最新消息(中国語版)*1
 開業以来ダイヤ改正のたびに増便の一途をたどってきた高鉄だけに、ちょっと驚きのダイヤ改正です。3/16改正の時刻表はこちら(pdf)

 減便はけっこう大規模で、現行ダイヤ(2008年11/1改正)で942本となっている週の列車本数を、13.37%減となる816本に減便。特にウィークデイ(月〜木)は約2割にあたる計100本が削減されます。
 数字の上ではかなり減ってしまう感じがしますが、全列車が停まる主要駅(左営、台中、板橋、台北)では列車本数の減る昼間でも一応30分ヘッドは確保されていますし、それ以外の駅でも1時間に2本は停車列車があるので、時刻表を見る限りではそれほど大規模な減便には見えません。始発・最終列車の時刻も現行と変わらないので、利便性を極力維持しつつ本数を減らしたというのが伺えます。
 また、これがなかなか偉いと思うんですが、列車本数が減る代わりに割引サービスが強化されます。自由席は月〜木曜日は全列車15%割引になるほか、現在も過半数の列車で行われている指定席車の割引制度(列車によって15%割引、35%割引になる)がほぼ全列車に拡大されます。運賃割引で少しでも乗客を増やそう、という狙いでしょう。

 私はこの1年で2回台湾に行って2回とも高鉄に乗ったんですが、夕方の自由席なんかは立客も出る満員状態だったので(たまたまかも知れませんが)こんなニュースを見るとちょっと驚いてしまいます。台北−高雄間では他の交通機関を圧倒している高鉄すら利用低迷で減便ということは、他の交通機関はどんな状況になっているのか、他の国のこととはいえちょっと心配になっちゃいますね。

 ちなみに、この減便と前後して役員報酬のカットも行われています。主要な役職で20〜10%のカットが行われているようですが、なんと董事長は2月から無給だそうです。

 台湾も景気悪いんですね…。

*1:私は中国語が読めないのでGoogle翻訳で英訳。中国語のテキストは日本語訳するとけっこうひどい結果がでますが英訳だとまあまあ読める