イタリアのAGV、塗装デザイン公開

 フランスのアルストムが開発した次世代の高速列車AGV(Automotorice Grand Vitesse)を導入し、2011年に運行開始予定のイタリアの旅客列車オペレーター、NTV(Nuovo Trasporto Viaggiatori)が15日、同社が投入するAGVの塗装デザインを公開。(参考=Railway Gazette InternationalFerrovie.it online AGVについてはこちらも参照
 同社が投入するAGVは11両連接車で、編成での全長は200m、定員は460人。Railway GazetteのとFerrovie.itの写真では光線の加減か、色目がかなり違うように感じられますがどっちが実際の塗装に近いんだろう。いずれにせよNTVのコーポレート・カラーと思われるワインレッドをベースに、窓周りが黒、その下に細いゴールドのライン。赤が主体とはいえハデハデな感じではなく、昔のイギリスのLMSなんかの客車のような落ち着いたカラーリングです。光線の具合によっては、JR東日本の新型お召し電車E655系にちょっと似た印象を受けるかも。AGV完成時にアルストムが公開した、いかにも未来っぽいシルバーメタリックのプロトタイプ車とは対照的なカラーリングですが、けっこう似合ってます。個人的には、小田急ロマンスカーVSEと併走させてみたい。
 NTVはオープンアクセス・オペレーター*1としては初の高速列車運行事業者になります。格安航空会社が全盛のヨーロッパですが、これからも原油高が続けば、そのうち格安高速鉄道会社が幅を利かせる時代になる・・・かな?

 しかしこのまま原油高が続けば、どんどん日本からヨーロッパが遠くなっていってしまう・・・

 (7/16追記)
 NTVの基本的な運行ルートは
 ・トリノ―ミラノ―ボローニャフィレンツェ―ローマ―ナポリサレルノ
 ・ローマ―フィレンツェボローニャヴェネツィア
 ・ローマ―バーリ
 の3系統で、各主要駅間の運行本数は、

 ・トリノ―ミラノ:8往復
 ・ミラノ―ローマ:16往復(うち3往復はノンストップ便)
 ・ローマ―ナポリ:16往復
 ・ローマ―ヴェネツィア:4往復
 ・ローマ―バーリ:3往復

 だそうです。ローマ―ミラノ間ノンストップ便の所要時間は3時間の予定ということで、これは既存のtrenitaliaの特急(現在の最速は4時間5分*2)どころか、対飛行機を考えても圧勝でしょう。
 投入するAGVは25本で、2015年にはイタリア国内の高速鉄道シェアの20%を占めることを狙っているとか。なかなか野心的なプランです。

 日本のいくつかのメディアでも「フェラーリ特急」として取り上げられていましたが、なるほど確かに赤といえばフェラーリのイメージ。上記2つの鉄道関連メディアでは特に触れていませんでしたが、イタリア国内ではそういう風に紹介されているのかな?あと「最高速度360km/hで運行の見通し」といった記述が一部に見られましたが、確かに車両自体は360km/h運転に対応しているものの、現状でのNTVの営業最高速度は300km/hの予定となっています。

 NTVのオフィシャルサイトでは、CGによるNTVカラーのAGVの走行シーンが見られます。

*1:EU諸国の鉄道は上下分離なので、「国鉄」以外の民間企業が線路所有者(基本的には政府出資の会社)にお金を払って列車を走らせることが可能で(=オープンアクセス)、その事業者をopen-access operatorという

*2:ただし今後の高速新線開通でスピードアップする計画