山陽―九州新幹線直通運転へ

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 JR西日本JR九州は17日、2011年の九州新幹線鹿児島ルート全線開通に合わせ、山陽新幹線新大阪―九州新幹線鹿児島中央間の直通運転実施を決定したと発表。JR西日本サイトのニュース
 新大阪―鹿児島の所要時間は約4時間だそうだ。現在、飛行機は関空/伊丹―鹿児島を1時間10分、神戸―鹿児島を1時間5分で飛んでいる。まあ伊丹ならまだしも関空は大阪からだとそれなりに距離があるし、鹿児島空港鹿児島市中心部から遠い(そもそも所在地が鹿児島市じゃないし)ということを考えれば新幹線がかなり有利だろう。熊本も似たようなもんだから、関西―九州(の西側)は新幹線が優位に立つことになるだろう。
 この山陽新幹線九州新幹線直通運転の場合、というか鉄道の新線開通や直通全般についていえることだと思うが、例えば飛行機の伊丹―鹿児島間が増便される、とか○○と○○を結ぶ路線開設、というのとは違って、その2地点以外の途中の沿線住民にもメリットがあるのがいいところだ。実際に旅客流動がどの程度あるか知らないが、広島―熊本間だとか岡山―新八代間といった移動も便利になる。それなりの規模の都市がある程度の間隔で連なるエリアでは、たとえ単純な2点間の所要時間で飛行機に負けたとしても、高速鉄道の威力は大きい。
 これで名古屋―熊本なんかも直通運転できれば新幹線が圧勝だと思うんだが、JR東海だからまあ無理でしょう。東海道新幹線が混みすぎだから、仕方ないといえば仕方ないけど。
 しかしよく考えてみると、日本の新幹線はすべて1435mm軌間、周波数の違いはあるにせよ架線電圧もAC25kvで統一されているのだから、直通運転しないほうがむしろ不自然という見方もできる。大して広くもない日本列島の中にほぼ同一規格の高速鉄道がバラバラに走っているというのは考えてみれば不思議なもんだ。外国の鉄ヲタから見れば「なんでトーカイドーシンカンセンとトーホクシンカンセンはJRグループなのに直通してないの?」と思うかもしれない。
 携帯電話なんかを見てもそう思うが、日本は個別の技術では最先端を追求するけど、互換性や共通化というのはそれほど重視しない感覚があるのかな、と思う。逆に欧米は、多少の技術的優位性よりは互換性や共通性を求めるように見える。いくら速くても、単独で完結して他路線につながらないリニアモーターカーより、多少遅いが乗り入れ自由な鉄車輪式高速鉄道のほうが有利=リニアは死んだ、という話はそういう観点から生まれているのだろうし、日本のように多機能じゃなくても*1、世界中でローミングできるGSMの携帯なんかもそうだろう。
 どっちがいい悪いとは一概に言えませんが。

*1:今はスマートフォンが普及してるから、そうもいえないが