ムンバイ鉄道地獄

 外国の鉄道のニュースとか知りたいなと思ってCNNのメールアラートで「railway」と設定してるんですが、事故とかあってもほとんどメール送ってこないし時にはぜんぜん見当違いの記事のお知らせ送ってきたりとかしてあんまり使えない。でも今日のはインド・ムンバイの通勤鉄道の話で、なかなかすごい内容だった。
 Mumbai's rail lifeline a death trap for commuters。要は通勤者にとっての生命線である鉄道は死の罠でもあるってことでしょうな。
 ムンバイの鉄道といえば昨年の同時爆破テロは記憶に新しい。だからテロの危険とかそっち方面の話かと思いきや、この記事によれば、なんでもムンバイの鉄道では大規模な事故とかなくても年間4000人以上の利用者が死んでるらしい。多くは列車にひかれるか走行中の列車から転落するか、あるいは屋根の上に乗って架線で感電死。今年も4月までですでに1200人以上死んでるそうで、その多くは駅構内の線路横断(跨線橋が混みすぎてて渡れない)だとか。恐るべし。
 混雑もなかなかすごく、定員200人の客車に最大で550人乗ってるそうだ…て、乗車率275%なら日本でもありうるな。
 混雑は当然ながら、死人がたくさん出るのも要は設備が追いついてないからで、当局は20億ドルを投じて5カ年計画で総延長180kmの線路敷設(たぶん複々線化ってことだろう)と148本の車両増備をするのだそうだ。これが完了してもピーク時は乗車率150%を越えるそうだ…って、だいぶ改善されるわけですね。と思ってしまうのは日本人だからだろうか。
 しかしこういうのを見ると、日本の通勤鉄道というのはそれが「人間的」かどうかという点ではまあ問題もあるけれども、安全で効率的かつそこそこ快適に人を運ぶ乗り物としてはかなり出来のいいシステムだと思う。ODAでインドにE231系の工場でもつくったらいいんじゃないでしょうか。
 というか、「利用したいかどうか」とか旅のロマンとかを別にして、純粋に輸送システムとして考えるなら、鉄道の中で一番興味深い分野は通勤鉄道に違いない(まあ俺が一番関心あるだけですが)。
 それはそうと、インドも行ってみたいなあ。