小田急、ドアに指挟んだまま発車し女性重傷

 13日、小田急小田原線東海大学前駅で、女性(57)が箱根湯本行き急行(10連)の8両目のドアに指を挟まれ約40m引きずられる。女性は線路に転落し肋骨骨折の重傷。(小田急のプレスリリース)。
 40mということは車両2両分。恐らくそれほどスピードは出ていなかっただろうから、線路に転落しなければ軽傷で済んだかもしれない。
 東海大学前はホームがカーブしていて乗降の監視は大変そうではあるが、小田急は全駅に乗降確認用のカメラとモニターがついているし、車両のドアは15mm以上のものが挟まっていると発車できない(運転台に「戸閉」というランプがあって、ドアが閉まると点灯するので暇な人は見てみよう)。8両目なので車掌からもそれほど離れていない、となればどれか一つには引っ掛かって防げそうな気がするが、全ての死角に入ってしまったんだろう。
 事故が起きた列車は湯本行きの急行なので、編成は小田原寄りから6連+4連。ということは事故発生車両は4連側なので、車両は5000か8000か1000のどれかということになる。俺の記憶が正しければ、小田急の最新型・3000形の2次車以降の車両は発車後しばらくの間はドアの力を弱くして、挟まったものを抜けるようにしてあるはずだ。もしこの機能があったら挟まった指は簡単に抜けて、事故は防げたかもしれない。

 今回の事故では、負傷した女性が駆け込み乗車だったということで「駆け込み乗車する奴が悪い」という意見がけっこう多いようだ。そりゃまあごもっともではあるが、電車のドアというのもまだまだ改良の余地はあるように感じられる。
 ドアに15mm以上のものが挟まっていれば検知される、とはいっても今回のような事故が起きてしまうわけだ。それなら例えばバスのドアのような光電管や、建物の自動ドアの赤外線センサーのような検知システムだったらどうだろう?ワンマン運転での安全確保のために設置している路線は実際にあって、東急池上線多摩川線ではホームに赤外線センサーがあるし、神戸電鉄は車両のドア上部にセンサーを付けている(特に神鉄は以前ドア挟み事故で死人が出ているので、神経質なんだろう)。
 こういうセンサーは感度が高すぎればちょっとしたことで発車できなくなったりするだろうし、混雑する路線ではいろいろ難しい面があるだろう。でも、先月も山手線でベビーカーを挟んだまま引きずる事故があったりと「ドア挟み」系の事故は割と多く発生しているので、何とかいい方法はないものかと思う。
 個人的にはホームにスクリーンドア(腰の高さまでのホームドアに非ず)を付けて、ついでにホームも空調完備にしてくれれば一番いいと思うんですけどね。