中国鉄路その2 特快T785次 蘇州―上海

 CRH2はそれはそれでいいのですが、表示が全部漢字なのと客が中国人なのを除けば基本的に新幹線と変わらない。やっぱり中国に来たからには「中国の列車」に乗りたい。
 というわけで、蘇州からの帰りは16時36分発の「新空調特快」T785次に乗った。蘇州に来るときに乗った列車(CRH2)は「D420次」だったので、恐らく「頭文字D」の列車はCRH2だなと推測してこの列車を選択。ちなみに実際のところ、頭にDの付く列車は「動車組」、つまりは電車やディーゼルカー使用の列車を表すそうです。蘇州の駅は特に古くはなさそうだがなんとなく埃っぽく、駅前に大きな荷物を持った人たちやら3輪タクシーが大量にたむろしていたりと上海よりごちゃごちゃしていて、俺としては割と楽しい。窓口も上海より数が少ないからか混んでいるようだったが、並んで30分くらいで順番が回ってきた。今回も硬座はないと言われ軟座を購入。とはいえ23元なのでCRH2より2元安い。
 蘇州の街を歩き回って駅に戻ってきたのは発車15分前。待合室に入るとすでに改札は始まっていて、ほとんどの客はホームに出た後だった。跨線橋からホームを見下ろすと、日本の国鉄特急色のようなヒゲの付いた赤+クリーム塗装のDF4D形牽引の客車列車がちょうど入線してくるところだ。客車はイタリアのMDVE客車旧色のようなグレー+オレンジ塗装の車両に混じって、いかにも「中国の鉄道」な緑色の車両が連結されている。やっぱりこれです。これに乗りたかったんですよ。

 …と思って写真を撮っていたら、俺が乗るT785次はホームの反対側に停まっていた白と青の新型25T客車編成だった。

 やっぱり「特快」だからか、T785次の停まっている側だけはCRH2と同様にホームがかさ上げしてあって、ステップを使わずに乗りこめるようになっている。客車の全景を撮影しようとしていたら、服務員に「さっさと乗れ」と言われてしまった。
 車内の写真を撮るタイミングを逃してしまったのだが(人多すぎなんだよ)、これはかなりいい車両だった。座席は新幹線のグリーン車と同じかそれ以上にゆったりしている。天井も日本の583系のように高く広々していて、走行音も静かで揺れも少ない。速度は当然ながらCRH2よりは遅いが、それでも蘇州―上海ならわずか50分程度。正直言ってどうせ乗るならCRH2よりこっちのほうがいいなあ…と思った。
 しかし50分では本当にあっという間で、できればもう少し乗っていたかった。次はぜひ夜行の長距離列車に乗ってみたいものです。