慶祝・台湾高速鉄道営業運転開始

 「台湾新幹線」こと台湾高速鉄道の営業運転が5日、ついに始まりました。実際は20日までは仮営業という形だが、運賃を取って乗客を乗せて走っているのだから実質的には開業といっても差し支えないでしょう。日本、韓国に次いでアジアで3つ目の高速鉄道保有国(っていうと政治的には問題あるのかもな)の誕生だ。
 これまで日本ではそれほど大きな話題にはなっていなかったが、やっぱり「日本の新幹線システム初の海外輸出」ということで、今日はさすがにTVのニュースや新聞各紙でも大きく扱われていた。もっとも「新幹線技術の輸出」とはいっても、軌道の規格はヨーロッパ流(UIC基準・許容軸重25.5t)だったりするので完全に新幹線そのままというわけではないのだが、日本の新幹線では見られない単線並列運転ができる設備が備わっていたりと、趣味的には「日本との違い」も興味深いところだ。
 とりあえず現時点での列車ダイヤを見てみると、台北側の暫定ターミナル・板橋(「いたばし」じゃなくて"Banciao"だそうです。当たり前か)―左営(高雄側ターミナル)間約345kmをすべての中間駅(5駅)に停まる列車は2時間、台中のみ停車の列車は1時間半で走破する。停車駅の違いによる列車の愛称などはないようだ。列車は12両編成で、1両がビジネスクラスのほかはすべて普通車。NHKのニュースでは「3日後まですべての列車が満席ということです」と言っていたが、全車指定席なんだろうか?台湾高鉄のサイトにもその点については特に書かれていないのでわからない。実際に乗るにはけっこう重要な情報なので気になる点ではある。
 台北―高雄間というのはちょうど東京―仙台、東京―名古屋間くらいの距離なので、都市の中心市街地を直結できる高速鉄道のメリットがもっとも発揮される距離だろう。現在、両都市間は飛行機のシャトル便がそれこそ15分に1本というような驚異的頻度で運航されているそうだが、空港と都心部の移動を考えれば高速鉄道が優位に立つのは間違いないだろう。立派な「大動脈」になるためにも、まずは新幹線同様、安全に運行されることを期待しています。
 しかしいつだったかの「鉄道ダイヤ情報」の台湾高速鉄道特集、買っとけばよかったなあ。神保町にでも行けばあるかな?