EU Express Train TGV Duplex

 コナミが発売しているDVDです。たまたま見つけたので購入してみた。内容はタイトルの通りだが、TGV DuplexだけではなくてPSE(説明はないけど)とかアトランティックとかLA POSTEも出てくる。
 最初にSNCFの広報のおっさん(偉い人)が駅でTGVをバックにSNCFTGVの歴史を解説してくれる。個人的には仏語の発音でもDuplexを「デュプレックス」と読んでいいのかどうか気になってたのだが(普通は語末の子音は読まないですよね)、SNCFの人が「デュプレックス」と言ってるんだからいいんだな。しかしこの人、ずっとカメラに目を合わせないで喋ってるのだがカンペ見てるだろ。話はそこそこ長いのでちょっと不自然だ。
 本編はパリ―マルセイユ間の運転席、車内シーンが中心で、あとは街と駅の紹介が少し。沿線での走行風景はそれほど多くない。ダブルスリップが連なる駅構内を抜け加速していく運転席からのシーンや、音楽的な和音を響かせるモーター音は印象的。ただ、全編に共通して言えるのは、印象的な画を見せることに主眼を置いているのか、ストーリー性があまりないというか「なんでそれをずっと撮ってるの?」的な場面(駅構内を歩く人を何人も微妙に違うアングルで撮ったりとか)がやや多すぎる気がする。はっきりいって少し飽きる。ナレーションはぼそぼそした感じの静かな女性の声でまあいいのだが、日本語としてどうかと思われる点が…テレビの放送原稿や印刷物だったらこのままではちょっと厳しいと思う。
 「LA POSTE」のチャプターは車内や郵便物搬出の風景が見れるので貴重な映像だ。でも、これも郵便物を積んだ荷車?の走る様子が何カットもあったりとか、本編同様に冗長なシーンが多い。特典映像として整備工場での映像も入っているのだが、こっちもなぜか車内をひたすら映したり(車内は本編でずっと撮ってるだろ)、肝心の整備の様子は時間の割に少ない。
 全編を通して映像はとてもきれいです。だからBGVとしてはいいと思う。でも、はっきりいって基本的に見せ場(というか、何を見せたいか)があんまりわかってないんじゃないかという気がする。制作スタッフに鉄道の好きな人がいなかったんだろうか?