ローマ地下鉄で列車追突

 17日午前9時半ごろ(現地時間)、ローマ地下鉄A線のヴィットリオ・エマヌエーレ駅で停車中の列車に後続の列車が追突。CNN、BBC、La repubblica(イタリアの新聞)その他のサイトによると、乗客の女性1人が搬送先の病院で死亡、110人が負傷し(CNNは60人、Repubblicaはその後140人になった)、うち5人が重体。後続列車の運転士は当初死亡とみられていたが、地下鉄当局はこれを否定しているらしい。
 イタリアのプロディ首相は「人的ミスか信号か何かの故障かは現時点では不明。列車は新しく、目に見えるようなトラブルはなかった」と言っているとのこと。「駅に進入するとき赤信号を見た」と言っている乗客もいるそうだ(地上信号式なのか)。
 報道各社の写真を見ると、車両は追突したほうもされた方も、2005年から営業開始したスペインCAF製の最新型車のようだ。全長17m(先頭車は17390mm)、幅2850mmの4扉車で6両固定編成(4M2T)、編成での定員は1202人。制御装置はIGBT-VVVF、最高速度90km/hというスペックの車両(たぶん合ってると思う)。
 手元にある「世界の地下鉄」という本やその他資料によると、ローマ地下鉄は軌間1435mm、1500V架線集電で、現在はMet.Ro(Metropolitana di Roma S.p.A=ローマ地下鉄株式会社)が運営。最小運転間隔は3分で、ATCが設置されているそうだ。ATC設置路線なら、作動している限りこんな事故は起こりえないと思うのだが、原因究明が待たれます。
 しかし6日前にはフランスで正面衝突事故があったばかりだし、先月はドイツでトランスラピッド(リニアモーターカー)が衝突、8月にはスペイン北部で列車脱線、6月には同じくスペインのバレンシアで地下鉄脱線と、ヨーロッパだけでも毎月のように死者が出る鉄道事故が起こっている。エジプトでも8月と9月に追突事故があった。どう考えても事故が多すぎる。