香港MTRとKCRが合併

 12月2日の話ですが。
 香港の地下鉄会社MTRと九広鉄路(KCRC)が合併し、これまで九広鉄路が運営していた路線全てがMTRの運営に。同時にMTRの社名は「香港鉄路」に変更(英文社名はMTR corporation limitedのまま)。
 これ「合併」ってことになっているけれども、KCRのサイトは旅客案内のコーナーこそなくなっているものの残っている。で、そこに書いてある「The Rail Merger」のところを見ると「MTRは今後50年(延長可能)の間、現存するKCRの路線、バスなどの交通ビジネスと、現在工事中のKCR路線が完成した際の運営権を譲渡される」ということになっていて、その後には「MTRは年間で7億5000万$と、KCRCの資産(要は線路と車両ってことでしょうね)によって生じる収益に応じた金をKCRCに払う」というようなことも書いてあるので、要するにKCRは会社としては存続しているようだ。KCRは借金がけっこうあるらしいから「国鉄清算事業団」みたいな感じで残ってるのだろうか?
 旅客案内用のサイトはMTRのほうに移っている。MTR-KCR間の中間改札は今後1年以内に全部撤去するらしい。運賃はどの区間でも何がしかの値下げになっているようなので、現地の人にはきっと喜ばれているだろう。当たり前だが、サイトには今まで九広鉄路がやっていた軽鉄(ライトレール)とか「InterCity Passenger Service」、要は中国本土への国際?列車の項目もできている。地下鉄や郊外電車、ライトレールから長距離国際列車まで運行している鉄道会社というのもなかなかすごい。さらにMTRは上海地下鉄9号線の建設にも関わっているようで、なんというか大した地下鉄会社だ。
 しかし今考えると、KCRとして最後の新線・落馬洲線に開業翌日に乗れたのはけっこうラッキーだったんじゃないかという気がする。
 

 それとは全然関係ないのだけど、香港に行ったことのある人何人かに「2階建て路面電車」の話をしたら「えっ?香港に路面電車なんてあったの?」と全員に言われてしまった。そうか実はあんまり有名じゃなかったんだな…