00'sドラスティックOER

 ちょっと用事があって久しぶりに小田急のいろんな駅に降りました。実家に帰るときは最寄駅以外使わないしね。

 <南新宿>
 沿線を離れたのは今から7年前ですが、ほんと2000年以降の変化、特に3000形2次車が登場した03年以降の車両と路線の変貌は恐るべしです。過去30年でちょうど一番激しい変化の時期に沿線にいなかったんだな。ちょっともったいない気がします。昔は寝てても「あ、いま高架降りて千歳船橋」とか分かったんだけど。4000といえばいつの間にかこっちになってしまったのもその一つ。


 でも4000の前面はやっぱりこれに似てると思う。



 これに似ているのはまあ当然ですが。でもE233-2000とは似ているようで細部は意外に違います。一番大きな違いは側面で、小田急は全面ダルフィニッシュ、JRは幕板と腰板は光沢仕上げ。東北沢−世田谷代田間の複々線が完成してダイヤ改正したらJR車の小田急乗り入れはあるんでしょうか。別にいいんだけど清掃はしっかりやってほしい。なんで東マトの車両はあんなに汚いのか。


 それと今やほとんど意味がなくなってしまった気がする「サバー区間」「インター区間」って分け方ですが、googleで検索してみたらサバーとインターが逆になってるケースが多い気がした。新宿−向ヶ丘遊園(稲田登戸)が「サバー」で以遠が「インター」ですよね。suburbanとinterurbanですもんね。昭和初期の「郊外」はせいぜい多摩川までくらいであって町田なんかはsuburbanというよりruralだろう。

最近的活動報告〜スリランカ・北京・東京〜

 ご無沙汰しております。
 最近はスリランカに行ったり念願の京津城際鉄路に乗ったりいろいろ書こうと思うことはあるんですが、とりあえず写真と短文で。

 とてもいい列車旅でした。1等展望車でもエアコンはありませんが運行は割と正確。近郊区間ではDMUの12連なんかもあってラッシュ時はなかなかの混雑です。隣の席に座った人に聞いてみたら片道1時間とか、けっこう長距離通勤している人も多いようで。駅の配線なんかもメモってきたのでまたいずれ。


 <コロンボ・マラダーナ駅付近>
 こういうの、涼しそうでいいですね。さすがに左の兄ちゃんみたいに身を乗り出すのはアレだったんでやめましたが、右のおっさんみたいに座るのはやってみたらなかなか気持ちよかったです。



 
 写真が酷いので分かりにくいですが、夜の駅に停車中。初めて来たところなのに懐かしい気がした。こういう風景を求めて旅に出ているのかもしれないと思った。



 <キャンディ駅>
 なんかこういう人たちは無意味に絵になるよなあ。写真の出来はアレだが。



 <コロンボ・フォート駅>
 こんなのが現役なんですよ!感動じゃありませんか。ちなみにこの編成は客車列車ではなくS7形という気動車編成(というか実質的にはペンデルツーク)で、日立製気動車+中間客車×2+制御客車の編成です。乗りたかったけど帰る日だったので断念。残念だ…。


  • 中国 北京周辺の鉄道

 高速鉄道フリークとしては乗らないわけにはいかない、世界最速350km/h運転の京津城際鉄路。開業以来ずっと行きたかったんですが、やっと乗ることができました。


 <天津站>
 ICE3がベース(というか大半はそのもの)だけあってさすがスマートなCRH3。10分間隔の頻発運転、乗り心地も素晴らしく、ある意味新幹線を越えているかも。ちなみに現在はMAX330km/hで運転しているようで、この時も最高330km/hまででした。



 <北京地鉄1号線 西単站>
 北京地鉄1号線の最新型車、SFM04形。福岡市交3000を京都市営地下鉄東西線に投入したらこんな風になるかも(笑)。北京には1日しかいませんでしたが、しばらく駅で観察していてもこの形式とDKZ4形しか来ませんでした。インバータ制御じゃない従来車はかなり置換えられてるんでしょうか?細部は微妙な部分もありましたがなかなかいい車両で、これくらいの出来の良さなら途上国の地下鉄はそりゃ中国製買うだろうなあ。
 そういえば開通したばかりの4号線にも乗りましたが、これは香港MTRが絡んでるだけあって車内から駅のサイン類までMTRそっくりでした。

 開通直後に乗って、まあ今後乗ることないだろうなあと思っていた日暮里・舎人ライナー


 <舎人公園−舎人間>
 なんだか用があって乗ってしまった。東京の空も実は広いなあ、と思いました。


 まあとりあえず並べてみて思ったことは、手ブレせずに撮ろうな俺。ってことです。地下鉄&車内撮影用に高感度で広角の小さいデジカメが欲しいかも…

 ちなみに海外鉄道関係に関しては、いろいろまとめた新サイトを構築中です。スリランカとかポルトガルのカスカイス線とかいろいろ準備はしてるんで…。近日中にオープンできる予定です。
 実は今年は国内も中部のローカル私鉄中心に割と乗ってるんで(豊鉄、養老、樽見、近江、三岐etc.)そのへんもまとめておきたいなあ。

twitterはじめました。

 サイドバーの一番上にtwitterを表示できるようにしました。

 最近なかなか更新できないので(書くことはいくらでもあるんだけど。書きかけのもあるんだけど)そんなときはtwitterでつぶやいてみようと思います。Railway Gazetteとかけっこう鉄道系のユーザーもいるのね。南アフリカのGautrainは工事の進捗状況を逐一つぶやいてます。DBAGもありました。やっぱりこういうのは海外の人はけっこう活用してるんだなあ。そういえばイランの人たちはデモのとき、自分たちの実情を発信するメディアとして使ってましたね。通信社もtwitterの情報を拾って記事化したりしてました。つぶやきジャーナリズムの誕生だ。
 日本でもそうなれば面白いなあ。でも、一般レベルでは普及してもオフィシャルで使うところはあんまりでないかな。

 ていうか最近いろんな分野で思ってるんですが、日本って言語が完全に独自(言語学的にいうと孤立言語っていうんだっけ)で、ヨソの国とは海で隔てられているから大半の人は他国の言語を習得しなくてもほとんど困らないし、逆に言えば覚えるのがやっかいな言葉だからヨソからは入ってくるのがやや辛い。かつ国内だけでそれなりの人口(=市場)があって、逆にヨソの国からわざわざ特別仕様にカスタマイズして売り込むほどの規模ではない。というのを考えると、昔の大陸文化の影響とかはさておき、現代がいかにグローバリゼーションの時代といっても必然的に独自の文化が育ちやすい環境なのだろう。たとえば動画投稿はYoutubeよりニコ動、って人が多いし*1SNSFacebookよりmixiだし、モバイルインターネットはスマートフォンよりニンテンドーDSだし。だから世界のVodafoneウォルマートも苦戦するんでしょうね。
 鉄道も独自システムと言えるでしょう。そういう文化の違いを鉄道を通じて見ていくと面白いなあと思います。

 そういえば鉄道模型の連結器は各国の文化をよく表している気がします。各メーカーがそれぞれ非互換で高機能を競う日本はクローズドな独自文化が育ちやすい土壌を感じさせるし、NEM規格で基本的な取り付け部分を規格化し、その上でヘッドは各メーカーが自由に開発するヨーロッパはまさにEU的発想、というか、実物のヨーロッパの鉄道でも盛んにいわれる「Interoperability」の思想ですね。今ではケーディ互換タイプがデファクト・スタンダードになったアメリカはいかにも資本主義の盟主というか、売れるものが市場を支配するのだ!という感じです。

 というわけで話が飛びまくってますが、みなさんtwitterフォローしてね。

*1:私はYoutube派、ていうかいくつかアップしてるしね。「動画」カテゴリを参照

新政権下の鉄道を考える #1

 衆院選は大方の予想通り民主党の圧勝となり、政権交代が実現することとなりました。日本の政治にとって歴史的な転換点ということになるでしょうが、これは鉄道にどのような影響をもたらすでしょうか。

 私は自民党支持者ではないし、民主政権には期待したいと思っていますが、「鉄道の今後」について考えてみるとほぼ確実に言えることは、鉄道への追い風にはならないだろう、ということです。ご存知の通り、民主党マニフェストに「高速道路の無料化」を掲げているからです。


 最近は「鉄道ルネッサンス」とか、また「鉄道ブーム」であるとも言われ、鉄道が見直されているような雰囲気があります。「たま駅長」で全国的に話題になった*1和歌山電鐵など、地方ローカル線が脚光を浴びることも増えてきました。

 しかし、観光や話題づくりの面を離れ、純粋に「交通機関」として考えた場合もそういえるのでしょうか?「1000円高速」の実施以降、JR各社の輸送実績は大きく落ち込んでいます。私の近所でも長野電鉄屋代線の存続問題が出ていますし、不況ということもあるでしょうが、各地の地方鉄道は「順調に」右肩下がりの運営が続いているでしょう。先日、北近畿タンゴ鉄道で10年ぶりくらいに丹後半島に行ったのですが、天橋立周辺は駐車場の賑わいに比べ、駅の周辺は以前訪れた時と比較して大分人が減っているように思われました。私がよく乗る特急「しなの」も、最近はめったに自由席で座れないことがありません。

 実際のところ、「鉄道ブーム」というのは、あくまで一部のテーマパーク化した路線や施設、そして「鉄道趣味」が脚光を浴びているだけというのが真実なのではないでしょうか。交通機関としての鉄道は、大都市圏など一部を除いては今までの傾向通りどんどん落ち込んでいっているのではないでしょうか。


 高速道路が無料化されれば、この傾向に拍車がかかるのは確実です。速さでは高速道路に比べて圧倒的アドバンテージのあるはずの新幹線ですら、「1000円高速」の期間中に輸送実績が落ち込んでいることを考えると、地方在住者からみて今後もっとも苦戦が予想されるのは、高速道路が並行する区間の在来線特急ではないかと思います。高速道路利用と比較した場合、はっきりいって料金、スピードの両面であまり競争力があるとは思えないからです。

 在来線の特急を支えているのは、大半がビジネス需要でしょう。特に出張者の利用が多いのではないでしょうか(というのは、地方の地元企業の場合はそもそも車で移動することが多いから)。東京在住の私の友人でも出張の多い人間がいますが(私自身は出張はめったにない)、大方の場合の行動パターンは、新幹線で地方の拠点都市に向かい、そこから在来線特急に乗り換えて何カ所かの取引先を回る、といった感じです。まあ、地方への出張というのは大体そういう感じでしょう。

 しかし、新幹線が通っていないような地方都市の場合、地元企業の事業所というのは駅から離れた郊外の国道沿いなんかにあるのが最近の傾向です。そういったところを数カ所回ることを考えると、当然ですが車を使うほうが効率的、ということになります。実際、大都市圏からの出張者ではない地元のビジネスマンは車で回る訳です。地方では首都高と違って時間も読めます。高速道路が無料化されれば、今まで「レンタカー代と高速料金考えると電車かなあ…」として在来線特急を選んでいた層が、レンタカーと高速道路の利用に切り替えるというのは、大いに考えられることではないでしょうか。

 また、高速道路が無料になれば、高速バスとの競合もさらに激しくなるでしょう。特に、一般の路線バスではなく、いわゆる「ツアーバス」との競合です。
 ツアーバスはもはや格安旅行者のための隙間産業ではなく、交通機関として無視できない存在になりつつあります。例えば長野−東京間では何社かが昼行便を運行していますが、どれも2000〜3000円代で、しかも県内各地からきめ細かくルートが設定されています。いままではあくまで「節約したい若者や旅行者向け」と考えられてきたツアーバスですが、今や東京−大阪間では大手事業者が車内無線LAN装備、飛行機のファーストクラス並みシートのハイグレード車を投入してビジネス客の取り込みを狙うまでになっています。

 何より従来の路線バスとしての高速バスと比べて、圧倒的に価格競争力があるのがツアーバスです。今は1ルートで1日に何便も運行している例はあまりないようですが、例えば大手のツアーバス業者が地方の中小観光バス業者を束ねて「地方都市間を1時間ヘッドで運行」なんていうのも、全然考えられないことではないでしょう。


 さて、高速道路無料化で考えられそうなことをいくつか挙げてみましたが、では今後鉄道が生き残って行くためには何が考えられるか? 私も足りない頭でいろいろ考えてみましたが、それは次回。

 キーワードは「チケット販売システム」「駅の見直し」です。

(9/2追記)…と思ったら、日経の調査では「高速道路無料化でも6割弱『車利用増やさず』」だそうです。ほんとかなあ。

*1:いや、世界的にかも。海外の鉄道業界メールマガジンでも取り上げられていました

海外鉄道ニュースを集める「Rail Planet」を開設

 2006年8月の開設以来約3年。先日、sweetorange(express)は10万PVを達成いたしました。
 その記念?というわけでもありませんが、当ブログで扱ってきた内容の中でも恐らく一番アクセスが多かったと思われる「海外の鉄道ニュース」に絞った新ブログを立ち上げてみました。
 Rail Planetです。

 毎日のように外国の鉄道ニュースサイトや鉄道会社・車両メーカーのプレスリリースなんかを見ていると、「これは面白い」というニュースがけっこうあったりします。でも、私は外国の鉄道についてそれほど深い知識があるわけでもなく、語学に堪能なわけでもないので、特に自分の知識や経験から得た内容を付け加えて書けるのでなければ取り上げるのも何だかなあ、と思って、特に大きなニュース以外はだいたいスルーしてきました。
 しかし、アクセス解析の結果を改めて見直してみると、海外の鉄道に関するニュース的な内容へのアクセス件数が一番多く、中には大したこと書いてないのにGoogle検索で1番目にヒットする内容もあったりして、これはもしかしたら特に深い内容が書けなくても、単に内容とソースを書いておくだけでもある程度の意味はあるのかもしれない、と思い直しました。

 そんなわけでのスタートです。
 基本的に毎日〜3日に一度更新くらいのペースでやっていければと思っています。
 こちらも続けていきますので、よろしくお願いしますね。